スーパードライは死んだ。サントリーのザ・モルツが美味すぎる。

 

ビールって人それぞれの好みが出る飲み物ですよね。

 

最近発売したサントリーの新モルツ

 

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今日、近所のスーパーに行ったところ、ビールにしては珍しく他社より安売りしていて驚いた。

 

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ただ美味しいビールという話なら、それで終わりなわけだけど、これは明らかにアサヒのスーパードライの地位を奪いに来ている。

 

スーパードライというのは基本的には"田舎のヤンキーの飲み物"だというのは、皆なんとなく気付いていると思うけど、その層をターゲットに売りだしたのがこの新しいモルツだ。もともとサントリーのビールといえば、プレミアムモルツが一番有名で、他にも最近では変わった味のクラフトビールなんかも出してきている。そして、この二つはどちらも高級路線で、かつどちらかと言えばビールの味を気にする人たちに向けたものだ。

 

それに対してアサヒのスーパードライと言うのは、ビールとしての美味しさは正直言って皆無であるけれど、のどごしとその飲みやすさから田舎のヤンキーや、カイジに象徴されるような下級労働者から絶大な支持を集めている。これは味を楽しむビールというよりも、気持ちよくなるための飲み物なのだ。

 

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そしてこの新モルツであるが、ビールとしての美味しさも多少は併せ持ちつつも、圧倒的なのどごしと飲み易さを完成させている。まさに犯罪的な美味さである。

 

さらにこのビールが、それらの層をターゲットとしていることがよく分かるのが、マイルドヤンキーの象徴である、EXILEを広告塔として据えていることだ。

 

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このCMであるが、黒ラベルの様なメッセージ性も無ければ、スーパードライの様な爽快感を訴える様子もない、ただ単にノリノリの音楽が流れつつ、EXILEがビールを飲んでいるだけど言う内容になっている。ここまであからさまにEXILEを聴く層だけに向けて発信したCMもなかなか無い。本当にマイルドヤンキーをピンポイントで狙ったビールなんだと思う。

 

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しかしその狙い以上に、このビールは間違いなく万人受けするテイストなので、スーパードライの地位を奪うだけでなく、あらゆる層に広がっていくと思う。そうなればスーパードライは完全に死ぬことになるだろう。

個人的に思うのはキングオブ底辺ビールはアメリカのバドワイザーであるから、このライセンスを持っているキリンはここにフォーカスを当てていってほしい。なぜなら元々は日本のビールはバドワイザーを手本にしていると言われているらしく、バドワイザーであれば今回の新モルツと戦える力、すなわちコンセプトと味を持っているからだ。

アメリカの田舎の元祖マイルドヤンキー文化を全面に押し出してバドワイザーの素晴らしさを大いに宣伝してほしい。

逆に美味しいビールを作る策も無いわけではないが、高級路線はサントリーやサッポロが押さえているし、それ以上の価格になるとクラフトビールを飲もうかという話になってしまうので、なかなか厳しいと思う。

 

いずれにせよ、この新モルツの出現で昭和の終わりに発売されたスーパードライは死んだ。

そしてそれを殺したのが、マイルドヤンキーの価値観であるということは、今の時代をよく象徴しているのかもしれない。

 

 

おしまい